【亜鉛】

　亜鉛は人体の活動にとって必要なミネラルのひとつ。

　ミネラルといえばカルシ ウムや鉄を思い浮かべますが、亜鉛は生命活動そのものに深く関わりをもつミ ネラルです。体内でたんぱく質の合成を促したり、酵素と結合してエネルギー を出したり、食物を消化したりする働きをスムーズにする役割をもっています。

　 亜鉛が不足すると、肌荒れ、脱毛、皮膚炎、にきび、口内炎、下痢、味覚障害、 嗅覚障害、免疫機能の低下、うつ病、眠気、夜盲症、ホルモン生成低下、生理 不順、性機能不全、潰瘍、胎児や子どもの成長の遅れなど、さまざまな症状が 出ます。

　亜鉛が不足しがちになる理由は、麺類やパン食など亜鉛を多く含む動物性たん ぱく質を食べない食生活（女性に多い）、体内に取り込んだミネラルの吸収を 阻む加工食品に含まれる食品添加物（特に、かんすい、膨張剤、乳化剤と表示 されるポリリン酸ナトリウム）の摂り過ぎなどがあげられます。

　精製された小 麦で作られたパン、麺類や白米は、ミネラルを多く含む胚芽や米ぬか、麦芽な どを精製の途中で失ってしまっているので、これらを食べるのもミネラル不足 につながります。 また、ストレスを強く受けている人、アルコールをよく飲む人、激しいスポー ツをする人、病中病後なども亜鉛不足になりがち。

　最近のキレる子どもたちも 亜鉛不足といわれています。 １日当たりの大人の摂取量は15mgが必要といわれていますが、日本人の成人男 子の平均摂取量は9.1mg、女子で7.3mgとかなり低め。

　亜鉛不足にならないには、 なんといっても亜鉛を多く含む食品を食べること。牡蠣などの貝類や魚、肉類 がおすすめ。ナッツ類にも多く含まれますが、植物性より動物性の亜鉛のほう が吸収率がいいとか。主食だと、パンや麺類よりご飯のほうが亜鉛の量が多く、 白米より胚芽米や玄米のほうが多く含まれています。 食事で不足気味の人はサプリメントで補いましょう。亜鉛不足の最も代表的な 症状の、何を食べても味を薄く感じる、口の中に何もないのに苦みや渋みを感 じるという味覚障害を訴える人は日本で毎年14万人もいます。亜鉛不足にはく れぐれも気をつけたいものですね。