乳業メーカーの相次ぐ不祥事により、店頭には乳製品の品数がぐんと減り、有名メーカーの乳製品は、ほとんど見られなくなりました。また、乳製品全般に関して敏感になっている人も増え、どこのメーカーも信用できないということで、乳製品を摂らなくなったという人もいます。
乳製品は、良質たんぱく質や、ビタミン、ミネラルが豊富で、とくに豊富に含まれるカルシウムは、他のどの食品よりも吸収がよいことは、よく知られています。しかし、いくら栄養豊富で身体によいのがわかっていても、中毒を起こすような不衛生な環境で作られたかもしれないと思うと、積極的に摂る気にはなりません。
乳製品を全く摂らないと、1日に必要なカルシウムをとるのは非常に困難です。普通の生活をしている成人が1日に必要な乳製品の量は、牛乳1本とチーズ1切れほどです。これでカルシウムは約360mg摂れます。1日に必要なカルシウム量は600mgですから、乳製品だけで半分以上のカルシウムを摂っているわけです。
360mgのカルシウムを乳製品以外のカルシウム補給源である小魚や緑黄色野菜で摂るのはとても大変。カルシウムが多いシラス干しでも、360mgのカルシウムを摂るためには、カップ1杯強も食べなければなりません。このため、乳製品を摂らないと、カルシウムは非常に不足しやすくなるわけです。
そこで、乳製品を摂らなくなってしまった人におすすめなのが、カルシウムのサプリメントです。また、カルシウムが腸から吸収されるのを助け、尿から排泄されるのを防ぐビタミンDや、カルシウムが内蔵へ沈着するのを防ぎ、きちんと骨の中にとりこまれるようにするマグネシウムのサプリメントも同時に摂るようにするといいでしょう。
乳業メーカーのずさんな品質管理には、驚くことばかりですね。わからなければそれでいい、事故が起きなければそれでいいという精神は、改めてもらいたいものです。
---2000.9.16 (c) 2000 by Mari Wakasugi ---
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