５月も半ばになり、一段と暖かくなってきました。上着を脱ぎ、半袖で過ごす日も増えてきましたね。そして、薄着の季節になると気になるのはボディライン。冬の間、服の下に隠れていた脂肪がお目見えする季節です。お腹の脂肪を見て、どうしようと悩んでいる、あなた。大丈夫、今からダイエットを開始すればまだ間に合います。 　よく、肥満ぎみの人が「一度太ってしまうと、なかなかやせられなくって。皆と同じもの食べているのに、なぜ私だけどんどん太ってしまうのかしら」などと語っているのを耳にします。そう、一度太ってしまうと、なかなかやせられないというのは事実なのです。 　同じものを食べても、太っている人は普通の体型の人に比べ、食べたものが体脂肪となって蓄積されやすくなります。したがって、かなりの努力をしないとなかなかやせられません。 　太ってしまった人がやせるのに苦労するのは、インシュリンの働きが悪くなってしまったため。本来インシュリンは糖を全身の細胞に送り込む働きをしますが、太るとこのインシュリンがうまく働かず糖が細胞に入り込めなくなります。細胞に入り込めなくなった糖は、血液中に漂っていて、いつまでも血液中にあると、さらにインシュリンが分泌されます。 　インシュリンは、脂肪蓄積作用と脂肪分解抑制作用の両方の作用をもっていますので、インシュリンがたくさん分泌されると脂肪が分解されにくく、どんどん蓄積されてしまいます。このため、太ってインシュリンの感度が悪くなった人は、やせるのが大変なわけです。 　このにぶくなったインシュリンの感度をよくし、ダイエットをしやすくする栄養素にクロムというものがあります。クロムは、体内にごく微量含まれるミネラルで、インシュリンは、このクロムの働きがなければ、うまく作動しないといわれています。 　クロムは、あさり、はまぐり、香辛料、海草類、干し魚、玄米などに豊富ですが、日本人の平均的な食生活ですと不足しがちな栄養素です。夏にむけて今からダイエットを試みるなら、サプリメントでクロムを補充すると効果的です。 　クロムは、筋肉細胞への糖の取り込みを特によくする傾向にあります。このため、クロムを摂取して運動をすると筋肉に取り込まれた糖がエネルギー源としてうまく使われます。筋肉は、糖をエネルギー源として活性化され、その結果筋肉量が増加します。筋肉量が増えれば、太りずらい身体になりますので、クロムの摂取に加え運動も行えば、よりダイエットの効果があがります。 　インシュリンの感度をよくすることによって体脂肪を蓄積しにくくし、筋肉への糖の取り込みを増やすクロム。糖尿病がちょっと気になる肥満ぎみの方にぴったりです。クロムを飲んで運動すれば、薄着の季節も恐くありませんね。 ---2000.5.13　(c) 2000 by Mari Wakasugi ---