『小さいことにくよくよするな』を始め、気の持ちようや精神の問題をとりあげた本が人気です。また、聴くだけでリラックスできるCDや気持ちを落ち着けるお香などのストレス解消グッズも、ちまたにあふれています。ストレス社会といわれている昨今、健康のためにはストレス対策はとても大切なことです。 　ストレスを解消するには、ストレスの元をたつのが一番ですが、現実はそう簡単ではありません。会社の上司がストレスの原因だからといってすぐに会社を辞めるわけにはいきませんし、お隣さんと気があわないからといって引っ越しすることなど、なかなかできませんよね。 　ストレス発散はとても重要ですが、ここで注意したいのは、人によってストレスを発散できる方法は全く違うということです。例えばテニス好きの人にはテニスは最高のストレス解消方法になりますが、あまり得意でない人がテニスを試みても全く効果がないどころか、新たなストレスが生じてしまう恐れがあります。最良のストレス発散方法は、その人自身が時のたつのも忘れてしまうくらい没頭できる好きなことや集中できることを見つけ、無理なく実行できることです。ただし、飲食でストレス解消しようとするのは、肥満や糖尿病など他のトラブルにつながるため絶対に避けましょう。 　忙しくてストレス発散の時間がない時などにおすすめなのは、欧米で広く使われている「セントジョーンズワート」というサプリメントです。これは、ヨーロッパで古くから気持ちを穏やかに保ち、心身ともに健康に過ごすために使用されてきたハーブです。 　私たちの脳の中ではセロトニンという物質が分泌されていますが、このセロトニンはイライラを鎮める作用があります。「セントジョーンズワート」は、このセロトニンを増やす働きがあり、イライラを防ぎリラックス状態をつくるといわれています。このため、気分のふさぎ、不安感、不眠、孤独感、イライラなどのストレスによる情緒の不安に効果があります。このような天然の植物で気分を落ち着かせることができれば安心ですね。 　 　記憶に新しいお受験がらみの幼児殺人事件もたまりにたまったストレスが主な原因だったようです。取り返しのつかないことにならない前に、自分にあったストレス対策を日常生活に取り入れていくようにしたいものです。 ---2000.1.29　(c) 2000 by Mari Wakasugi ---