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[No.124 : 目がかすむ…?白内障]


 「目がかすんではっきり見えない」「何を見てもぼんやり見える」というお年寄りの話をよく耳にします。これは、加齢性白内障といい、目の中にある水晶体が濁り、視力の低下と共にかすんだりぼやけてよく見えなくなる病気です。目の老化現象によって起こるため、40歳代で約30%、50歳代で約50%、60歳代で約70%、70歳代で約90%、80歳代でほぼすべての人が、罹患していると考えられています。特に、アトピーや糖尿病、以前に目を打撲した経験のある人などは、意外と早く“白内障”と診断されることもあります。

 ゆっくりと進行するため、なかなか気づかない事も多いのですが、生活に支障がなければ特に問題ないとされています。点眼薬や内服薬で進行を遅らせることはできますが、年とともに水晶体が濁るのかはまだよくわかっていないため、薬物療法で進行を完全に止めることや低下した視力を回復することはできません。また、メガネを使っても視力がよくなるわけではありません。

超音波白内障手術

 生活に支障が出るようであれば、手術で水晶体の濁った部分を取り除き、眼内レンズを入れる手術をすれば、元の視力を取り戻すことはできます。

 小さい傷口から超音波装置を使って濁った水晶体を取り除き、元々水晶体のあった位置に眼内レンズを固定する「超音波白内障手術」が一般的です。この方法は、点眼麻酔を行い、切開を加えてから終了まで10〜15分です。ただ、人によってはできない場合もあり、その場合は、麻酔が必要になる「嚢外水晶体摘出術」で手術時間も長くなります。日本では、1985年頃より眼内レンズ挿入術が普及を始め、1992年4月より眼内レンズに保険が適応されるようになりました。

 確実な予防方法はありませんが、栄養バランスのとれた食生活と休養を十分にとり、疲労をためず、老化を遅らせる生活習慣を心がけることが大切です。抗酸化作用のあるビタミンCやEを含む緑黄色野菜を十分に摂りましょう。

紫外線の影響も大きい

 すべての人に起こる白内障とはいえ、程度には個人差があります。その理由として、若い頃に蓄積した紫外線量にも関係があります。

 紫外線には、波長の短いUVBと波長の長いUVAがあり、UVBは角膜で吸収され、UVAは角膜を通過し水晶体で吸収されます。そのため、強い紫外線に長時間さらされると、充血しゴロゴロして目が開けられなくなります。これは、吸収されたUVBによって角膜が傷つき、角膜炎を起こしたことによるもので、スキーなどで起こる「雪目」はその代表格です。一方、UVAを吸収した水晶体は、UVAを蓄積し黄色く変色していきます。

 紫外線の影響と白内障の関係を表した興味深い調査があります。世界の4地点で白内障にかかった人の割合を調査したところ、石川県を1とした場合、奄美(鹿児島県)が1.4、シンガポールが2.1、緯度が高いアイスランドが0.4でした。日差しが強い赤道に近くなるほど白内障にかかる率も高い結果になっており、紫外線と白内障に深い関係があることがわかります。

 人の色の識別能力は20歳代がピークで、それ以降は年齢とともに低下し、老人の識別できる色の数は若い頃の半分くらいになるといわれています。このように紫外線の影響も大きいことを考えると、白内障予防として陽射しの強いところではサングラスを着用し紫外線対策を行うことも大切です。

白内障の兆候

【こんな症状が出たら注意!】
  • 目がかすんでぼんやり見える。
  • 明るいところに出ると、まぶしくて見えにくい。
  • ものが二重、三重に見える。
  • メガネをいくら調整してもぴったり合わない。
  • 遠くの風景の濃淡が明確に見えない。
  • 全体に黄白色のフィルターがかかったように見える。

 

---2006.3.20 (c) Mica Okamoto ---

 

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