I'm fine ! といつでも言える暮らしのために役立つ情報がいっぱいです。    
Home Health Supplement Child DietBeauty  
Healthトップ>[Pickup News]>No.100  
 


[No.100:牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのは]


 牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人はいませんか?小学校時代、給食の牛乳を泣き泣き飲んでいる子が必ずいたのを思い出しますが、これには理由があります。乳糖不耐症という、体質なのです。

 乳に含まれる乳糖を消化する消化酵素、乳糖分解酵素は、授乳期の赤ちゃんだけが持っているものです。大人になっても乳糖を分解して体内で利用するには、乳糖分解酵素を持っていなければなりません。

 日本人は、米、いも、野菜、豆や海草などを常食にしてきたので、牛乳を利用しなくても栄養を確保できていました。そのため、日本人の約8割は乳糖不耐、つまり大人になってから乳糖を分解できないといわれています。そのため程度の差はありますが、多くの大人は牛乳を飲むと下痢や腹痛が起きます。これは哺乳動物として自然な姿なのです。

 自然界のなかで、ゾウもライオンも大人になると、本来食べるべき食べ物を食べており、大人になっても乳を飲んでいるほ乳類は存在しません。これは成体が母乳を飲むことはその動物の絶滅を意味することだからです。牛乳は良質のタンパク質やカルシウムが豊富ですが、本来子牛が飲むもの。牛乳を出して牛乳を飲んでいる牛はいないのです。

 最近はカルシウム補給に牛乳を勧められることが多いのですが、乳糖不耐症の人が牛乳を多量に飲むと、アレルギーを起こしやすくなります。また、妊娠中に無理して牛乳を多く飲むと、生まれてくる赤ちゃんが牛乳アレルギーになる可能性が高いのです。

 乳糖分解酵素を持っているのは、ヨーロッパやアジアの遊牧民族で寒冷地に住み、牛乳や山羊乳を毎日の生活で栄養として取り入れてきた一部の人たちだけです。長年の生活習慣から牛乳や山羊乳を利用できる体質になっていったのです。

 最近の研究で、大人になっても大量の牛乳が飲めるのは遺伝子の突然変異に由来するものだという発表がありました。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の女性遺伝学者リーナ・ペルトネン博士らによると、ヨーロッパ、アメリカ、アジアのいろいろな人種、民族の血液サンプルを調べたところ、遺伝的に離れた人種でも、乳糖不耐症の原因になっている遺伝子を持っていることがわかりました。これにより、乳糖不耐症の遺伝子は人類発祥の古来から共通している基本的な遺伝子であると結論づけたのです。そして、牛乳を飲めるのは、遺伝子の突然変異によるもので、1万年〜1万2000年ほど前に突然変異を起こした、と推定しています。

 日本人が牛乳をよく飲むようになったのは戦後給食が始まってから。それまで日本人は牛乳をそれほど飲んでいませんでした。いくらタンパク質やカルシウム補給に牛乳がいいからといって、お腹の調子が悪くなる人は無理して飲む必要はありません。

 日本人なら魚や肉からタンパク質を、小魚や海草、野菜からカルシウムを、とれば十分だと思います。またどうしても不足がちな場合はサプリメントを利用するのもいいでしょう。

---2002.4.6 (c) Mica Okamoto ---

 

Healthトップページ