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[No.045:増える味覚障害]


「何を食べても味が薄い」「食べても味がしない」といった味覚障害は、今ま で中高年に多い症状でしたが、最近、若い世代にも増えてきています。

■味覚とは

 味の基本は、甘味、塩味、酸味、苦み、うまみの5つ。口のなかに溶けだし た食べ物の糖や酸が、舌の表面にある味蕾という組織のなかの味細胞に触れ、 この味細胞から神経によって脳に伝わって感じます。

 生まれたときの味覚には、どんな人もほとんど差がないと考えられています。 しかし、薄味がわかる人とわからない人といった個人差が出てきます。これは、 子どものころから、いろいろな食べ物の味を経験することによって、さまざま な味を学んでいくからです。そのため、子どものころは、できるだけ素材その ものの味を大事にした薄味がいいとされるのです。小さい頃から濃い味に慣れ てしまうと、微妙な味の違いがわからなくなってしまいます。

 また、疲れやストレスが増えると、唾液の成分が変わり、苦みや酸味を抑制 する物質が増えます。ですから、イライラしながら料理すると、苦みや酸味の 感じ方が鈍くなるため、濃い味付けになってしまいます。

 微妙な味をわかるには、食べる前の状態も重要。食前のコーヒーやアメなど の刺激の強いものやタバコは味覚を鈍らせるため、避けたほうがよいでしょう。

■亜鉛不足で味覚障害

 味覚障害は味蕾の機能が低下することによって起きます。最近は毎年14万人 ずつ新しい患者が増えているというデータもあり、年々確実に増加しています。 特に、20代、30代の女性に増えています。

 神経の損傷などで味覚障害になることもありますが、原因の7割は亜鉛不足 です。味蕾を組織する味細胞は、皮膚と同じように3〜4週間で再生しますが、 その際、ミネラルのひとつである亜鉛が欠かせません。亜鉛不足は薬の副作用 もありますが、ほとんどが摂取不足です。

 ある20代の女性が「ものを食べても味がしない」と訴え病院で調べると、昼 食はコンビニ、夕食は毎晩スパゲティだったそうです。また、夫に「みそ汁の 味が濃すぎる」といわれて病院を訪れた30代の主婦の食事内容は、ほとんどが 加工食品に頼っていました。

 過度のダイエット、毎日コンビニ食や好きなものだけといった偏食を続けて いると亜鉛不足になり、味覚に影響が出てくるのです。

■亜鉛の多いものを摂る

 亜鉛は、牡蛎、ホタテなどの魚介類、ひじき、アオノリなどの海藻類、きな こ、ゴマ、アーモンドなどの大豆・ナッツ類、キノコ類、緑黄色野菜、玄米、 ソバなどに多く含まれています。

 厚生省は亜鉛の1日あたりの所要量を成人男性で10〜12mg、女性で9〜10mg と定めており、牡蛎なら3〜4粒食べるだけで十分。

 しかし、亜鉛をはじめとするミネラル分は熱に強く水に溶けやすいので、調 理法によっても摂取量が変わります。とうもろこしは、ゆでずに電子レンジで 加熱すると、亜鉛が流出しません。コンビニなどのお総菜のほうれんそうのゴ マあえだと、大量調理で水につかっている時間も長くなるので、自宅で作った ものより亜鉛が減ってしまいます。

 また、食品添加物のなかには、亜鉛の吸収を妨げるものもあるので、加工食 品など添加物の多い状態で摂ると、亜鉛摂取を期待できません。

 このように加工食品や外食だと、元々亜鉛の多いものを食べて摂っているつ もりでいても、摂取できていないことが多いのです。

 味がわからなくなったら、人生の楽しみも半減したのも同然!できるだけ新 鮮なものを調理時間を少なくして、亜鉛だけでなく、さまざまな栄養素も取り り入れ、いろいろな味を楽しみたいものですね。

---2000.11.18 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

 

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