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[No.022:若い人に増える痛風]


 最近、若くして痛風になる人が増えています。以前は経済的にも恵まれた40代、50代に多く、「ぜいたく病」「帝王病」ともいわれていましたが、最近は、30代での発病が30%近くと最も多く、40代、50代と続き、20代でも14%もいます。

■高尿酸血症の激増

 痛風とは、血液中に増えた尿酸という代謝物が溶けきれずに結晶化して関節などに沈着し、その結晶を異物とみなした白血球がこれと闘うためにさまざまな化学物質を放出して、強い炎症を起こすものです。発症する場所の70%は足の親指の付け根で、炎症のために関節内に水がたまります。この関節炎は一時的に治まることも多いのですが、耳たぶやひじなどの皮下に結晶がたまれば、コブ状の痛風結節になることもあります。

 尿酸値が高いと必ず痛風になるとは限りませんが、値が高いほど発作の回数も増えます。健康診断などで尿酸値が高いと指摘されそのままにしておくと、5〜10年後に発症することが多いようです。

 現在、日本では痛風の患者は50〜60万人といわれますが、発症していない高尿酸血症の人はその10倍の500万〜600万人はいると推計されています。

 高尿酸血症をほうっておくと、結晶ができず痛風にならなくても、糖や脂肪の代謝が狂いがちになり、糖尿病や高脂血症、高血圧などいろいろな生活習慣病を合併しながら、腎臓結石や尿道結石、尿毒症などの腎臓病や心疾患や脳血管障害になる可能性も少なくありません。

■原因はさまざま

 今のところ、原因は大きく3つあるといわれています。
 1つは、プリン体の摂取量が多いこと。私たちの身体を構成している細胞が新陳代謝を繰り返して、一定の細胞が新しく生まれ変わっています。古い細胞が壊れるときに、細胞の核をなしている核酸が出てきますが、この核酸の主成分であるプリン体が代謝で分解されるときに、最終的に尿酸になり、老廃物として腎臓から排出されます。ですから、プリン体を多く含むものを食べると排出されずに、尿酸値があがるといわれるのです。 

 2つ目の原因は肥満です。プリン体の全体の7分の6ほどは、細胞内で糖から合成されます。食事やアルコールの摂り過ぎによる肥満が増え、特に、20代、30代の男性の肥満が急増しています。食べ過ぎ、飲み過ぎによる余分な糖から合成されるプリン体が増えることも原因の一つです。しかし、痛風患者のうち肥満は半数ほどなので、食生活が原因でない場合もあります。

 3つ目は体質的・遺伝的な要素うえに、食べ過ぎ、飲み過ぎ、過度の運動、ストレスが加わって起こることもあります。過度の運動やストレスで尿酸値が上がるのは、心身ともに大きなエネルギーを消費するほど、エネルギーの燃えカスといえる尿酸が生み出されるからです。

■血液検査でチェックし食生活を気をつける

 高尿酸血症は血液検査だけでわかりますので、半年に一度に定期的に受けてチェックしましょう。もし高ければ専門医に早めに相談を。現在は薬と食事療法で治療ができます。薬を中途半端にやめると再発する危険が多く、発作を繰り返すうちに心筋梗塞や脳卒中になる可能性もありますので、長期的にきちんと薬を服用することが大切です。

 食生活は、総カロリーを減らす、お酒の量を減らす、高脂肪・高蛋白の肉類を減らすの3点がポイントです。特に、アルコールは摂取カロリーを増やすとともに、尿酸の合成も促すので、最も気をつける必要があります。特に、ビールはプリン体を多く含んでいるので要注意です。

 痛風の患者の98%が男性です。女性は女性ホルモンに尿酸の排泄を高める作用があるため、女性が発症するのは閉経後です。これからはビールでグビッとが増える季節ですが、飲み過ぎには気をつけましょう。                  

---2000.6.10 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

 

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