[No.013:涙不足で眼精疲労]
パソコンやゲームなどに向かう時間が増えると、どうしても目が疲れます。
この目の疲れは眼精疲労といい、原因の6割はドライアイです。そのほかには、
近視、乱視、遠視などの屈折異常や目の調節がうまくいかないといった原因があげられます。
■涙の役割
涙不足だとなぜ目が疲れるのでしょうか?
涙は50分の1mmくらいの厚さでいつも角膜の表面を覆い、目を保護するとともに、目に栄養を与えてます。また、角膜の表面をなめらかにし、網膜にきれいな像を結ばせるために常に分泌されています。
涙が足りないと、栄養が十分に行き届かないため目が弱ってしまい、外からの刺激を受け、傷もつきやすくなります。
50分の1mmの厚さで目を覆っている涙は、外側から油層、液層、粘液層の3層に分かれています。油層は液層の蒸発を防ぐ役目があり、液層はナトリウム、カリウムが主成分で、角膜の内外を行き来し、潤いと栄養を運びます。内側の粘液層は、ムチンというたんぱく質からなり、角膜の表面にその粘りで涙をとどまらせる役目をしています。
「目にゴミが入ると涙がたくさん出る」とか「よく泣く」から涙不足は心配ないと思いがちですが、その場合の涙の大部分は液層からなる涙なので、涙の質としてはバランスがとれたものではありません。
■なぜ涙が不足する?
一般的には4つのメカニズムにトラブルが起きたときに、涙の役割を十分に果たすことができなくなります。
第一は、涙腺でつくられる涙の量が元々少ないタイプの人に起きる、涙の分泌のトラブル。第2は、まばたきの回数が関係があります。通常は1分間に20回行われるまばたきですが、パソコンやゲームなどで凝視していると、半分以下になってしまことがあります。逆に、40回以上もまばたきするのは、乾燥しているせいで目の表面が涙を必要としているために起こってしまう現象です。
第3は、涙の蒸発量が多くなってしまうことです。涙は自然に蒸発していますが、上目づかいになると目の表面積が大きくなり、蒸発量が増えてしまいます。エアコンなどの乾燥でも蒸発し過ぎのトラブルにみまわれることも。
最後に涙を出す涙点の大きさに個人差があり、涙点が小さいとに十分な量の涙が出ないこともあります。
眼精疲労を感じているのに、ドライアイは思い当たらない人は、涙不足の原因をチェックしてみましょう。
さらに、メガネやコンタクトが原因の場合もあります。メガネの場合、レンズだけでなく、レンズと瞳の位置やフレームのゆがみなど、使っているうちにあわなくなっていることも。コンタクトは、角膜に密着させるものなので、乾燥しがちになったり、あわないと目に直接ダメージを与えます。涙不足の人はコンタクトは不向きともいわれています。メガネやコンタクトは定期的な再検査も欠かさないようにしましょう。
---2000.4.7 (c) 2000 by Mica Okamoto ---
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