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[No.005: しっかり噛んで健康に]


 最近よく噛まないで食べる人が増えています。昭和10年頃には1回の食事に約20分かけ、約1500回の咀嚼をしていたのに、現代だと食事時間は10分ほど、咀嚼回数も約600回と激減。弥生時代には1回の食事に1時間もかけ、なんと4000回もの咀嚼をしていたそうです。

 咀嚼回数の減った原因は、加工食品やファーストフードが広まり、軟らかいものを好む人が増えたことや、忙しいライフスタイルで食事時間が短くなったこと、飲み物を飲みながらの食事で噛まずに流し込んでしまうことが多くなったことがあげられます。

 噛まなくなったせいで、私たちの身体のさまざまな部分が変化してきています。まず、顔が小さくなったこと。小顔ともてはやされますが、顎や頭の骨の成長が悪いせいで、歯並びや発音などに影響しています。

【咀嚼がもたらす健康効果】

 咀嚼は健康の元!噛む回数を増やすことは健康につながります。

◆虫歯や歯周病の予防
 よく噛むと唾液の分泌を促すため、唾液のもつ抗菌作用で、歯の汚れを洗浄したり、歯垢や歯石がつくのを防ぐ効果があります。

◆顎の発達と正確な発音
 よく噛むと頭骨や顎骨、歯を支える骨の成長・発達を促します。顎が発達すると歯並びもよくなり、ハッキリした発音ができるようになり、顎関節症の予防にもなります。また、顔の表情筋が鍛えられ、表情も豊かに。

◆肥満防止&ダイエット
 噛む回数が多いと消化・吸収がよくなり、血糖値が早く上がるため、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぎます。また、噛むことで脳を通して交感神経を刺激し、細胞でのエネルギー消費を促すので、体内に貯めこむことなく、肥満防止になります。

◆記憶力&学習能力のアップ
 噛むと脳の血流が増え、意識の集中を示す脳波が現れます。噛む刺激は眠気を抑え脳の働きを活発にし、認識力や思考力、集中力、判断力などを高めます。

◆肩こり、腰痛の防止
 歯の噛み合わせが悪いと肩こり、腰痛、姿勢などに影響を及ぼすことがわかっています。また、噛む回数が少ないと、腰骨の骨密度が小さくなり、骨粗しょう症になる恐れもあります。

◆ストレス解消
 噛むと大脳皮質を刺激しますし、硬いものや歯ごたえのあるものを噛み砕くことが爽快感につながり、ストレスを解消します。また、時間をかけてよく噛むことは、脳の中にコレシストキニンという化学物質を増加させ、ストレスによる恐怖や不安を減少させる働きもあります。

【噛みごたえのある食事】

 噛む回数は一口30回がいいそうです。しかし、急に増やせといっても難しいもの。噛みごたえのある食べ物や料理に一工夫するだけでもずいぶん違います。

 噛む回数を増やすには、繊維の多い根菜(ゴボウ、レンコン)やキノコ、乾物(昆布、ひじき)貝、海藻を取り入れたり、野菜は煮るより生野菜のほうが噛みごたえがあります。

 また、レトルトカレーにキノコやチキンを入れたり、お魚は刺身より空揚げ、照り焼きなどの加熱調理をしたり、肉を骨付き肉するだけでも噛む回数が倍増します。素材をちょっと大きめにするだけでも噛む回数は増えます。ちょっと料理を工夫していつもより噛む回数を増やし、健康に近づきましょう。

参考:「誰も気づかなかった噛む効用〜咀嚼のサイエンス」(日本教文社)

---2000.2.12 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

 

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