[No.002:ねばねば成分ムチン]
オクラ、モロヘイヤ、つるむらさき、あしたば、里芋、長芋、大和芋などのネバネバ成分をご存知ですか?その名はムチン。ムチンの正体は、糖類とタンパク質の複合体からなる粘性物質です。
■ムチンの効用
1)粘膜を潤し強くする。
→粘膜で構成されている胃は、潤うことで損傷を防ぎます。このため胃潰瘍を予防します。
2)タンパク質の消化吸収を助ける。
→タンパク質分解酵素を含むため、食べたタンパク質を無駄なく体内に取り込みます。
3)抗ウイルス作用をもつ。
→ウイルス性の病気を防ぎます。鼻の粘膜も強くするので、ダブルの作用で、風邪やインフルエンザの予防には特に効果を発揮します。
■ムチンの効果的な摂り方
ムチンに豊富なタンパク質分解酵素は加熱に弱く、60℃でパワーダウンしてしまいます。このため、タンパク質を体内で有効利用したいなら、加熱のしすぎは禁物。できるだけ生で食べましょう。
■こんな方におすすめ
●きついお酒をよく飲む人
アルコール度の高いお酒は胃壁を傷つけます。このため、おつまみにオクラや大和芋などのムチンを含む食品を食べると、胃の粘膜が保護されてアルコール性の胃潰瘍を防止できます。
●肉や魚をたくさん食べる人
肉や魚などのタンパク質源の消化や吸収をよくしてくれるため、これらと一緒に食べると、食べ過ぎによる消化不良を防ぎます。
●お疲れぎみの人
やる気や元気のもとのタンパク質を無駄なく吸収するので、疲れがとれやすくなります。滋養強壮、虚弱体質の改善にも効果的です。
●風邪をひきやすい人
風邪の予防や、ひいてしまった風邪を早く治すのに、抗ウイルス作用と粘膜強化作用をもつムチンは効果的。また、風邪によって落ちてしまった消化能力も元にもどしてくれます。
最近の研究では、ムチンはガンの転移を阻止するという報告もあります。ネバネバしたものは、手や口が汚れたりかゆくなったりして扱いが大変なので、敬遠する人も多いようですが、これだけ効用があるのでとらなきゃ損ですね。
---2000.11.18 (c) 2000 by Mari Wakasugi ---
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