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[No.068: 牛ミンチ偽装事件に思う]

 ミートホープ社の牛ミンチ偽装事件。牛肉以外だと色が薄いので、内臓や豚 などの血を混ぜて着色、中国から輸入した兎肉やパンを混入、解凍に雨水使用 …など、普通では信じられないことが社長のトップダウンで平気で行われてい た。それだけでなく、取引先の加ト吉は、ミートホープ社から仕入れた肉で作 った賞味期限切れのコロッケをミートホープ社に売って、それを安値で売って いた!

 最初この事件を知った時、とうとう、出たか…という印象だったが、詳細が 出てくるにつれ、悪事の創造力のすごさに「そこまで、やるか?!」と唸って しまった。

 社長は、いろいろなものを混ぜた肉を社員に食べさせ、牛肉だと答えた社員 に対し、「何を混ぜたかわからないだろう」と自慢げに語り、こんなコストダ ウンできる肉を考え出したことを自ら「発想力」と豪語していたという。

 食品会社を経営しているのに、この感覚は、信じられない…。が、1人だけ でなく、それに従う従業員もいたわけだし、同様なことをやっていた取引先ま で存在しているので、同じような輩はもっとたくさんいるはずだ。類は友を呼 び、どんどん伸びる悪事のスパイラル。今回は絡みがなかったから見つからな かったが、全国のどこかで同じような会社もいないとは限らない。1匹見つけ れば30匹はいるゴキブリと同様なのではないか。

 偽装が常態化していなくても、牛肉の値段が高騰したときだけ、他の肉など を混ぜたり割合を偽ったりすることだってあるだろう。10回に1回、昔は時々 やってましたという会社だってあるはず。今さら見つかるはずもないが。

 法的に罰則がないのも、誘発する一因ではないか。今回の事件は詐欺で立 件されるらしいが、JAS法で摘発されても、当事者は痛くもかゆくもない。ミ ートホープ社は、ばれたときの損害を保険まかなってまでいたという。金儲け だけを考えれば、賢い経営者といえなくもない。

 中国からの輸入食品も問題になっている。加工現場は極端に不衛生というレ ポートがあったり、規定値以上の農薬が検出されたり、中国には食品の安全性 に疎い人たちがたくさんいることを考えれば、日本でも法の網をくぐってやっ てる輩もたくさんいるに違いない。格安のものを扱うディスカウントショップ や移動販売店は、大手のスーパーや食品店よりも、仕入れの際の基準が低いか もしれないし、大手でさえも、加工食品が作られる過程で混入していたらわか るはずもない。

 一昔前、ファーストフードのハンバーグには、ネズミ、猫、鶏インフルエン ザの鶏肉、カンガルー肉などが使われているという噂が流れていたが、まんざ らウソでもないのかなと思ってしまう。うまく味付けされれば、人間の舌では わからないし、疑っていても安けりゃいいと食べる人がいる。

 冷凍やレトルト、総菜などの加工食品を買っていて全くリスクがないとは考 えられない。すでに加工食品は塩分や脂肪が多いから、加工食品ばかり食べて いると、高血圧や高脂血症のリスクが高いことは知られている。食中毒以外は どの食品の原因で病気になったかはなかなかわからないから、よからぬ素材や 成分が徐々に身体を蝕んでいても、自覚症状が出るまでわからないし、自覚症 状が出たとしてもどこにも責任追及できるわけではない。自分が損するだけだ。

 最善の方法は、顔も生産方法もわかっている信頼できる生産者から手に入れ た食材しか食べないことだ。そういった信頼できる産地直送の無農薬野菜や食 肉は、はっきりいって市販のものより値段が高い。経済的に余裕ある人しか、 そういうものを簡単には手に入れられないだろう。

 現代は安全・安心をお金で買う時代でもあり、知らないと損ばかりする時代 ともいえる。国の法律や規制には、必ず漏れがあるので、全面的に信頼できる わけではない。だから、品質表示だけを見ていても食の安全は手に入らない。 自分の身を守るためには、正しい知識を得て想像力を働かし、危険なものを生 活からできるだけ排除するするしかないのだろう。食べ物ひとつをとっても、 うかつに口にしてはいけない現代は、本当に生きにくい世の中だなと感じる。

---2007.7.8 (c) Mica Okamoto ---

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