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[No.053: されどアミノ酸]

 最近すごい勢いのアミノ酸人気。ある調査では、買いたいサプリメントとして昨年の4位からビタミンCに次ぐ2位に浮上。アミノ酸食品市場は、2年前の約200憶円から今年は1000憶円に届きそうな勢いだ。

 アミノ酸食品の効果として謳われているのは、疲労回復、美肌などあるが、爆発的な人気の理由はダイエット効果を期待してのことだろう。

 アミノ酸は、筋肉や骨、内臓、血液、肌、髪の毛などを作っているタンパク質の材料である。種類は膨大にあるが、人体をつくっているのは20種類。そのうち体内で作られない、バリン、トリプトファン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、スレオニンの8種類と体内でも作られるヒスチジンをあわせて、必須アミノ酸と呼ぶ。

 アミノ酸入り飲料は飲めば飲むほど痩せるようなイメージがあり、CMの影響もあり、味の素の調査ではアミノ酸に脂肪を燃やす効果を期待している人が7割以上もいた。しかし、実際には飲んだだけで痩せない。製品中の「リジン」が、体脂肪を血液中に引き込む「リパーゼ」という酵素を活性化させるので痩せるという俗説が広がっているだけで、科学的根拠はなにもない。

 飲み過ぎると太る可能性もある。飲料には糖分が含まれており、500ml飲料1本のカロリーが、55〜165kcalもある。そのうえ、余程の小食などしなければタンパク質が不足することはないので、アミノ酸不足もありえない。それなのにアミノ酸を摂ると余ってしまうことなる。つまり、アミノ酸食品だからといってどんどん摂ると太ることになる。

 ではアミノ酸は役立たずかというとそうではなく、医療用輸液や医薬品原料に使われており、その効果は実証済み。分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)とアルギニンを同時に摂ると、運動後の筋肉痛を和らげたり、筋力回復の効果があるとの報告も多くある。

 アミノ酸と一言でいっても種類が多いため、食品に含まれているアミノ酸の種類や組み合わせが違うと、期待できる効果も様々だ。それも考えず、アミノ酸飲料だからといってがぶがぶ飲むと結果的に太るだけという恐ろしいことになる。

 分岐鎖アミノ酸自体の味は苦く、高価なので清涼飲料水には向いていない。「アミノカルピス」を飲んだ息子は、「変な味。カルピスと全然違う」と一口で止めてしまった。飲むだけで痩せられないのがわかっているなら、わざわざおいしくないアミノ酸を口にしなくてもいいのでは?口に入れるものはおいしいほうがいいので、しょうゆやぬか漬けなどのうまみ成分のアミノ酸(必須アミノ酸ではないが)をとればいいかな…と思ってしまう。

【参考サイト】
味の素の「アミノ酸大百科」

---2003.6.6 (c) Mica Okamoto ---

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