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[No.048: 身近な「うつ病」]

 久しぶりに知人に連絡すると、元気のない声で「最近疲れがひどく、仕事にやる気が出ない。人に会いたくない」と言う。2年前に会社を辞め自ら事業を興したときは、やる気満々でいろいろな知人のつてをたどって積極的に営業を行っていたから、そんな様子を聞いて驚いてしまった。

 営業にいっても声がかすれてうまく話せなかったり、やたらドキドキするので、心臓や内臓が悪いのかと思って病院に行っても異常はないといわれたそうだ。奥さんから「ストレスかもしれないので、カウンセリングに行ってみれば」といわれたが、なかなか行く勇気が出ないという。最近は気軽にカウンセリングを受ける人が増えていて、共通の知人で受けたことがある人を2,3名前を挙げて行くことを薦めてみた。後に軽いうつだと診断され、薬を処方されたと連絡がきた。

 こんな話を友人としていると、「実は私も抗うつ剤を飲んでたことあるんだ」と告白された。他にもやたら抗うつ剤に詳しい人がいて、こんなに身近にうつ病経験者がいるとは気づかなかった。

 「うつ病」というと大それた病気のように思えるが、誰にでも起こりうる。気分が沈む、涙もろくなる、すぐに自分を責めるなど、感情面に症状が現れ、周りから見てもすぐわかるような印象を受ける。

 しかしそうでない場合も多く、注意が散漫になったり、今まで好きだったことに興味がなくなるといった思考面に症状が出ることもある。

 また、不眠、食欲不振、頭痛、めまい、腹痛、のどが痛い、声がかすれる、心臓がドキドキする、疲れやすい、下痢、便秘、性欲低下などの症状が身体に現れる。

 うつ病のほとんどの場合、必ず身体の症状が現れるが、本人は気はしっかりしていると思い込んでいて、うつなどの精神疾患であると思いたくないあまり、身体の症状をなんとかしようと、内科や耳鼻咽喉科など精神科や心療内科以外の病院を転々として、治せないと悩むことが多い。自律神経失調症と診断され、出ている症状を和らげる薬を処方されても、もしうつ病なら根本的な部分を治さない限り解決しない。

 「病は気から」というが、身体に出てくるサインは心の問題を知らせようとする危険信号だと本人が認めないと、治るものも治らないままになってしまう。

 あるうつ病経験者がこんな話をしていた。「なんにもやる気がしなくて、人にも会うのが億劫になって。別に生活は今までと変わらないので、ちょっと疲れがたまっているのだろうと思っていたら、実は「うつ」だった。『へーこれが「うつ」なんだ』と驚くくらい、今までの自分との違いを感じられなかった」それほど自分の変化は見つけにくいものなのかと感じた。

 身体に異変を感じたら「まだまだこれくらい大丈夫」などと無理をしたり、放っておいたりせずに、きちんと受診するべきだろう。特に身体の不調が長引くときは「うつ」などの心の病が隠れていることも忘れないようにしたい。

【「うつ病」の参考サイト】
UTU-NET
横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター

---2003.2.18 (c) Mica Okamoto ---

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