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[No.043: 時代とともに変わる歯の健康情報]

 先日、息子が「痛い!虫歯かもしれない」というので、かかりつけの歯科医院に行った。レントゲンをとると、乳歯に小さな虫歯があり、その下から永久歯が出てこよう乳歯を押し上げたせいで痛みがあったらしい。虫歯を治療したが、乳歯が抜けるまでしばらく痛みが出るかもしれないということだった。

 治療が一段落すると先生が「来年からこういうのをやります」と唾液検査のチラシを見せてくれた。唾液の量や唾液に含まれる虫歯菌の数を調べて虫歯になる可能性を見極め、その人にあった予防法を見つけるというものだ。

 採取した唾液に検査用紙をつけると唾液の中和力がわかる。また、検査棒を舌にあてると、虫歯のきっかけを作るミュータンス菌や虫歯を進行させるラクトバチルス菌の数もわかる。どちらの菌も少ないほうが虫歯にはなりにくい。

 唾液量は多いほど、口の中の食べ物を早く洗い流すため、抗菌作用が働き、虫歯になる可能性が低くなる。タバコを吸うと唾液量が減るため虫歯になる可能性は上がる。

 ひと昔前は虫歯ができてから治療するのが普通だったが、最近は定期検診でチェックして虫歯の早期発見や歯垢や歯石を除去して虫歯ができにくい環境にする予防が主流になってきている。唾液検査はさらに一歩進んだ虫歯予防法だ。唾液のタイプと食生活もあわせて、どんな予防法がその人にとって最適かがわかるので、やみくもにいろいろな虫歯予防をする必要がなくなる。

 そんな時代でも、歯医者嫌いはいる。あの機械音と痛みが嫌だと検診にもいかなくて、虫歯ができても鎮痛剤を飲んで我慢して、もう限界となってから行く人も私の周りには存在する。そんな人には唾液検査でまず自分の口内環境を知ることはおすすめしたい。

 次に歯磨き剤の話になった。我が家では、発泡剤や防腐剤、人工甘味料などの添加物をわざわざ口に入れるのが嫌だったし、歯磨き剤を使うと、味や洗浄感だけで歯磨きをした気分になってしまい、磨く時間が減ってきちんと磨けないので歯磨き剤は使っていない。

「JIS規格では発泡剤や研磨剤を一定量入れるようになっているんです。最近はそういうのが嫌な人も多くて歯磨き剤を使わない人も増えているし、そういう人向けのものも出てますね。実際には歯磨き剤の使用不使用で虫歯ができるかどうかはあまり関係ないんです」ということだった。

 それに電動ハブラシは、歯の平面を磨くのには適しているが、歯の隙間はきちんと磨けないので、電動歯ブラシだけだと歯周病になる可能性が高くなるとか。1本の歯をていねいに磨くことが大事だということなのだ。楽をしたらそのツケがあとでくるということなのだろう。最近、安価な電動歯ブラシを買ってみようかな、と思っていたが止めた。

 ちなみに私は歯の面を磨く普通の歯ブラシと歯の列が狭い隙間まで磨ける歯ブラシの2種類使っている。狭い方はつまようじ法ということで開発された歯周病予防用の歯ブラシ。けっこう隙間も磨けている気がする。あとは、歯間ブラシで仕上げをする。

 今流行のインプラントについても尋ねてみた。最近はなんでもかんでもインプラントをうつ場合が増えているが、まだ確立されていないということらしい。その先生が講師を務める大学でも、今はたくさんうってみて臨床データをとっているところだという。5〜10年間で集めたデータで、「こういう歯や顎の人は何%成功する」などという資料にするのだ。それを聞いてちょっと怖くなった。

 その先生は歯の保存が専門なので、インプラントは専門外だというのもあり、やらないといっていた。また、最近、歯科業界誌の対談で会った日本でインプラントの研究の第一人者といわれる医師の見解もあまりいいものではなかったという。

 代替療法を行っているある知人が、「インプラントは身体に金属を埋め込むので身体の気の流れが悪くなる。頭痛や肩こりの要因になることだってある」というようなことを言っていた。科学的根拠はないのだろうが、なんとなくわかるような気がする。

 30年くらい前は歯磨き剤をたっぷりつけてゴシゴシ磨くのが良いとされていたが、今は違う。新しい道具や器具もどんどん開発されていて、歯科医のなかで良しとされる情報や技術も変わっていく。

 歯は削ったり抜いたりしたら二度と元には戻らないので、下手に手を加えてほしくないものだが、虫歯や不具合ができたときには、自分が行った病院の歯科医に従うしかない。これだけ変化が激しいと、歯科医も大変だろうが、患者としてもなかなか難しい時代だと思う。とにかくすぐに歯を抜こうとする医者だけは信じたくないと私は考えている。

---2002.11.15 (c) Mica Okamoto ---

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