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[No.036 歩きタバコ禁止条例]

 東京都千代田区議会で6月24日、空き缶やタバコのポイ捨て、路上喫煙などを禁止し、歩きタバコに罰則を設けた条令案が可決された。とうとう歩きタバコが取り締まりの対象になってしまった。

 この条例は、千代田区内の靖国通り全域、神田、秋葉原、四ッ谷、市ヶ谷駅周辺などの7カ所の「路上禁煙地区」が対象。この地区では、歩きながらの喫煙はもちろん、立ち止まっても座り込んでも喫煙はダメなのだ。オフィスの多い地域で、職場での喫煙スペースがどんどん縮小されるなか、一体どこで一服すればいいか、頭を抱える人もいるかもしれない。

 しかし、この条例を取り締まるのは、区の職員で警察は関係ない。地区ごとに区職員2人がパトロールして違反者には注意し、従わなければ最大で2万円の罰金。警察ではなく区職員と聞いただけで、喫煙者のほうも大したことないなんて感じる人もいるかもしれない。逆に、歩きタバコが減って欲しい側としては「注意されたらやめればいいと思っている人が多いのでは」とあまり期待できそうにない感じもする。この条例ができたことで、心理的にどのように変わるのか、喫煙者に聞いてみたいと思う。

 「タバコは健康を害する」ことが広く一般に知られたせいで、喫煙者は減少しているという。しかし、街で喫煙者を見かけることは、以前より増えたと思う。職場では喫煙場所を設けているところも多いが、雑居ビルなど広くない職場全域が禁煙になると、ビルのエントランスやエレベーターホールなどで喫煙者がたむろして煙が舞っている。

 飲食店でも分煙していないところが多いし、席だけ分けても煙の行方まで徹底しているところは少ない。居酒屋で「禁煙席お願いします」なんていったら、追い出されるかもしれない。嫌煙家にとって安心できるところは、本当に少ない。土地勘のないところでは、スタバを探すのが精一杯。飲食店には、焼肉店の無煙ロースターのような機械をテーブルに設置してほしいくらいだ。

 タバコのリスクというと、肺がん及び他のがん、気管支炎、ぜんそく、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、大動脈瘤、末梢血管閉塞症、脳血栓、クモ膜下出血、血圧上昇、睡眠(就眠)障害、食欲低下、口臭、肩こり、首のこり、腰痛、手足・足先のしびれ、流産、早産、死産、低体重児、先天異常、タバコ依存症・・・e.t.cと数え切れないほどある。喫煙者は知っていて吸っているのだろうから別に構わないが、健康のために禁煙した人や嫌煙家にタバコの害をまき散らさないでほしい。

 特に女性は自分だけでなく、子どもにも影響する。いずれ妊娠・出産するだろう若い女性は、タバコの害が濃縮されて赤ちゃんに現れることを知っているのだろうか。若いママが公園で子どもにほとんど目も配らず、タバコを吸いながら携帯電話のメールをうつ姿を見ると、将来どうなるのか・・と不安に思う。

 条例で取り締まるなんて・・・という人も多いが、タバコのリスクを広報しておいて、あとは消費者まかせという国も無責任過ぎ。タバコを吸わないように法律で取り締まろうとするより、禁煙地区にタバコの自販機を置かないほうがずっと効果があると思う。本当に国民の健康を考えるなら、タバコの販売を規制するといった根本的な問題に取り組んでもらいたい。

---2002.6.26 (c) Mica Okamoto ---

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