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[No.026 喫煙で自己探求?]

 友人が禁煙体験をつづったメールマガジンを出した。内容は禁煙によって自分の身体に起きる日々の記録で、身体的、精神的なさまざまな変化が手にとるようにわかる。私はタバコを吸わないので(一応、高校生のときに吸ったことあります)、喫煙も禁煙もどんなものか全くわからないのだが、その日記を読んでいろいろなことを知った。

 まず、驚いたのはタバコを吸っている人は必ずしも好きで吸っているのではないということ。タバコが身体にあわず、吸った途端ゲホゲホむせたり、お腹が痛くなったり、顔の血の気がひいたりするような拒否反応さえ起こすにもかかわらず、再び喫煙行動に出てしまう人もいるのだ。

 吸ったことをくやみ、数本吸っただけでゴミ箱に捨ててしまう(あーもったいない)が、また衝動にかられ、自販機のボタンを押してしまう。そして、タバコの煙とともに苦痛や後悔や落ち着きなどが入り交じり、精神状態がめまぐるしく変化する・・・「このようなことを繰り返したら、人より早死にするのだろう」。死に対しても冷静なのだ。

 なぜ、そんなにまでして吸うのだろう?
 喫煙という一種の自虐行為をする代償として、生きている実感を味わってい るのかも。イライラして我を忘れているときに喫煙行動に出るのは、タバコを吸う度に自分の存在や潜在意識を確かめるため。あるいは、自分に対する気づきを行うきっかけを自ら選んでいる行動なのではないのだろうか。だからこそ、健康に悪いといわれ目の敵にされながらも、喫煙者はいなくならないのだろう。

 愛煙家に「ガンになるから、やめれば」なんていったら、「ただ長生きしたいという単純な理由で、こんなにも奥深い自己追求の試みを他人に止められる筋合いはない」とでもいわれそうだ。愛煙家は常に自分を掘り下げて見なければ気が済まない自己探求心あふれた人である。タバコ体験によって深みのある人間になれるのかも?と、ちょっぴり吸ってみたくもなった。

 そういえば、映画での喫煙スタイルは、生き方のシンボルにも使われるし、ヘビースモーカーだった有名な小説家などの文化人はたくさんいる。タバコを吸うという行動で、常に生と死を冷静に見つめられる立場に身を置くことから、クリエイティブな才能が生まれるのかもしれない。

 ただの葉っぱであるタバコだが、時代とともに歩み、今や各国で製造され、世界中でどれくらいの種類が存在するのか想像もできない。健康と対極にあるタバコだが、人間が生きる上でとても重要な役割をするのかもしれない。

---2000.7.3 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

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