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[No.008 断食に学ぶ〜体が欲する食べ物とは]

 先日、断食経験者にいろいろと話を聞く機会があった。
 最初の断食は空腹の不安が先にたち、体の不調を大げさにとらえるそうだ。断食を始めると食べない割には便も出れば、にきびや目やになどが体中から噴出する。それを病気や体の不調と勘違いして、大騒ぎしてしまうのだ。本当は今までため込んでいた体にとって必要ないものが出ているだけ。いったん出てしまうとすっきり爽快なのだそうだ。

「クラッカーのかけらがあんなにおいしいなんて」と美食家の50代の社長が真剣に言うのを聞くと、食べ物の味やありがたみがよくわかるのだと痛感する。おいしさを実感しながら食べたものは身につくといわれるが、まさにそのとおり。

 3〜4回断食を経験すると「体が欲しい食べ物がわかる」という。断食が終わるとごく少量ずつ食べる量を増やして通常食にもどすのだが、五感が鋭くなっているので食べ物の匂いだけで満腹になったり、食卓に並ぶいくつかの料理を見るだけで、「これは体が必要としている、これはいらない」とわかるのだそうだ。それは目や舌といった今までの記憶で判断するのではなく、体の奥から欲するものだという。

 そういえばホテルのパーティで、どんなにおいしいローストビーフや豪華なオードブルを食べても、一瞬「おいしい!」とは感じても「満足!」とは感じない。パーティといっても仕事の延長だから、皿を片手にあいさつや名刺交換で食事は二の次。体はそんな場所で食べることを望んでいないのだ。

 毎日の食事って「今日はなにが食べたい」なんて体に聞く前に、「朝、昼、晩ちゃんと食べなきゃ」という気持ちが強くて中味まで気持ちが回っていない。栄養のバランスは気にかけるが、それが本当に体が欲しいものかどうかは確信はない。日頃から体と向き合ってれば、脂肪肝になりそうな人は油っぽいものがおいしくない、とか、高血圧の人は薄味を、というふうに自分の体が出すシグナルに耳を傾けることができ、病気にな らないかもしれない。

 五感を鋭くするには空腹も一つの方法と思い、ランチを食べずに仕事していると、カツ丼が食べたいと思ったりする。これは五感が働いているというよりただ空腹なだけ。体の欲するものをわかるにはまだまだ修行が足りない。

  ---99.10.1 (c) 1999 by Mica Okamoto ---

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