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塩はミネラルの補給という点で、ひじょうに重要な栄養素でした。 塩は1905年(明治38年)から国が生産と販売を独占し、専売公社で扱われていました。そして、1971年(昭和46年)には「塩行近代化臨時措置法」が施行され、日本のほとんどの塩田が廃止され「イオン交換膜電気透析法」という製塩法に切り替えられました。 それまでの塩田では、海水を濃縮して蒸発させて塩を作っていましたが、イオン交換膜法は、海水に含まれる塩分3.5%のうち、塩化ナトリウムだけを電気的に採集する方法です。そのため、塩田とは違って天候の影響を受けず、工業的に生産することができるようになりました。 また、先進工業国をめざす日本にとって、塩田だった海に面した平坦な土地を工業用地として利用したい、また、ソーダ産業に不可欠な原料としての塩を安定供給したいという狙いもあり、この方式が強行されました。実際に、塩の約85%は工業用で、食品加工用は11%、家庭用は4%にすぎません。 この製法で作られる「塩」は、99.5%以上が塩化ナトリウムで、にがりをほとんど含まないため、日本人のミネラル摂取が阻まれ、今でもミネラル不足が続いています。 1997年(平成9年)に専売法が廃止され、塩の生産が自由化され、ようやく本物の塩が簡単に手に入るようになりました。 沖縄や伊豆大島、高知、熊本、天草、長崎などで、自然海塩が本格的に生産されるようになりました。海からひいた海水を、太陽の熱と風の力を利用する自然製法で、数日から数週間かけて作られる塩は、ミネラルをたっぷり含んだ塩です。専売塩のようにただしょっぱいだけでなく、あまみやうまみなどの奥深い味わいがあります。やきとりや天ぷら、うどんのダシなどに使えば、その違いもわかるはずです。
参考:日経ヘルス 99.5 |
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