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気になる健康情報【風邪とインフルエンザ】



6.インフルエンザ治療薬

 今までの治療は、鼻水や咳を鼻炎薬や咳止めで抑えたり、熱を解熱剤で下げたり、関節痛や筋肉痛の痛みを鎮痛剤でやわらげたりといった対症療法、そして安静にして寝ることなどが中心でした。抗生物質は、肺炎、気管支炎などの合併症には有効ですが、インフルエンザのウイルスには効果はなく、インフルエンザそのものを治すことはできませんでした。

 しかし、抗インフルエンザウイルス剤の登場で、インフルエンザウイルスを増殖を抑える治療ができるようになりました。

アマンタジン(商品名:シンメトレル)

 塩酸アマンタジンは、1970年代からパーキンソン病の治療薬として用いられてきたもので、1998年11月にA型インフルエンザ用の抗ウイルス剤として厚生省に認可されました。しかし、B型には効果はなく、A型のみにしか効果はありません。

 アマンタジンは、1回100円と安価で、効果も高いですが、副作用として、嘔気などの消化器症状やふらつき、不眠、けいれんなどの中枢神経症状が出ることがあり、使用したら車の運転はしないことが注意点として挙げられています。また、アマンタジンを使用した患者の約30%に、アマンタジン耐性のA型インフルエンザウイルスが出現する、という報告もあるため、安易な使用は避けるたほうがいいでしょう。

ザナミビル(商品名:リレンザ)

 ザナミビルは、インフルエンザウイルスに直接作用し、ウイルスの増殖を阻止するという薬です。インフルエンザウイルスが細胞に感染した後に、複製・増殖して細胞から細胞へ感染、伝播していく際に働くノイラミニダーゼというたんぱく質の機能を阻害する「ノイラミニダーゼ阻害剤」で、インフルエンザA型、B型の両方に有効です。厚生省に輸入申請をしてから、普通なら2年かかる新薬の承認を、4ヶ月の異例の速さでクリアし、1999年12月から使用できるようになりました。

 ザナミビルの研究では、症状軽減までのスピードが速く、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎といった合併症に対する抗菌薬の使用量も減らすことがわかっています。また、持病がある人や50歳以上の人が症状が落ち着くまでの時間を2.5〜3 日間も短縮することがわかっています。さらに、インフルエンザの予防にも効果があることがわかっています。

 抵抗性のウイルスの出現もしにくく、副作用が少なく、安全性も高いため、治療薬として効果が期待されています。一方、治療費が高く、鼻から吸収する薬なので、慣れないと効果的に使用できないのが難点とされています。

オセルタミビル(商品名:タミフル)

 オセルタミビルは、ザナミビルと同様、インフルエンザウイルスに直接作用し、感染を広げるノイラミニダーゼというたんぱく質の機能を阻害する「ノイラミニダーゼ阻害剤」で、A型、B型の両方に効きます。経口剤(飲み薬)なので、吸入するザナミビルよりも安定した服薬効果が期待できます。

【インフルエンザ抗ウイルス薬】
                                   
一般名 アマンタジン ザナミビル オセルタミビル
商品名 シンメトレル リレンザ タミフル
使い方 内服 吸入 内服
使える人 成人・小児 成人 成人・小児
効くウイルス型 A型 A型とB型 A型とB型
副作用 下痢、吐き気、不眠、めまい、幻覚 重い副作用は、ほとんどなし。
喘息の人は発作の誘発に注意。発疹、かゆみ。
ほとんどなし。
腹痛、下痢、吐き気

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 これらの抗インフルエンザウイルス剤を使用すると、症状が軽くすみ、治るまでの期間も短くなります。早めに治療することは、自分の身体を守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも重要です。

 現在、口から入れた綿棒で採取した咽頭の液体や鼻から採取した鼻腔液から、ウイルスの種類がわかる、診断キットがあり、約10分でA型あるいはB型の感染の有無を診断できるようになりました。

 インフルエンザウイルスは、感染後急速に増殖し、2〜3日後にピークに達します。ですから、これらの薬は、ウイルスが増殖し続けている48時間以内に使うと効果的です。


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