Home Health Supplement Child DietBeauty  
Healthトップ>[気になる健康] [健康チェック] [エコロジー]
     
 

気になる健康情報【旬の食べ物:2月〜大根】


 冬が旬の食材といえば、大根。ふろふき大根やけんちん汁、煮汁のしみ込んだおでんの大根は格別です。大根は、栄養が豊富で健康効果が高く、葉も根も全部使い切ることができます。部位それぞれの成分に特徴があるため、ぜひ毎日の食事に取り入れて健康のために役立てましょう。

【地中海沿岸から渡来した大根】

 大根は、昔から日本にあったと思いがちですが、実はアブラナ科のキャベツなどと一緒に地中海沿岸からシルクロード経由で日本に渡ってきた外来植物です。エジプトでは、BC2700年、ビラミッドの碑文に工事に加わった人々にタマネギ、ニンニクとともにハツカダイコンを配給したことが記録されており、BC200年に栽培の記録があります。中国では、BC1100年に記録が残っています。

 日本では、大根は「オオネ」と呼ばれていました。「古事記」(712)には「於朋花(おほね)」、「日本書紀」(720)には「於保爾(おほね)」で登場し、「和名類聚抄」(923−930)には「大根(だいこん)」となっています。

 渡来してから日本の風土や嗜好にあわせて改良を繰り返し、渡来してきた面影からは想像できないほどの変貌をとげました。 大根の代表格である青首大根を始め、「練馬大根」、丸い「桜島大根」、細長い「守口大根」など地方に根ざして、育て方、太さ、長さ、丸さ、大きさ、色、味などが変化し、様々な地大根が各地に存在します。

【大根の医者いらず】

 各地の俗信や迷信の伝承を集めた「日本俗信辞典」(鈴木棠三著)によると、「大根がよくできた年には医者がもうからない」という俗信が載っています。それほど、大根は健康効果の高い食べ物として知られていました。

 お正月明けに食べる「春の七草」の1つ「スズシロ」は大根のこと。お正月で疲れた胃腸を休めるために、「七草かゆ」を食べる習慣ができました。

 ビタミンB1は疲労回復効果があり、夏にばててしまうのは、このビタミンB1不足が原因のひとつといわれています。このため、枝豆を食べていれば、夏バテも防止できるわけです。

 大根おろしには、肩こり、にきび、かぶれ、しもやけ、やけど、打ち身につけると症状を和らげる作用があるとされ、咳や風邪に効くといわれ、その他消化不良やお酒の飲み過ぎ、食べ過ぎの毒消しにも古くから使われています。

 

【豊富なビタミンC】

 大根は9割以上が水分ですが、ビタミンCが豊富に含まれています。特に、葉の部分には、ゆでたホウレンソウ100gと比べると、カリウム、マグネシウムは少ないですが、カルシウム、鉄、ビタミンE、K、Cの量は上回っています。また、皮の部分にも多く含まれています。

 葉の部分を刻んでご飯に混ぜた「菜めし」など大根の葉をしっかり摂ると、ビタミンCが豊富なので、風邪予防、ストレス解消にも効果があります。

 

【消化を助ける、タカジアスターゼ】

 大根おろしに餅をからめた「からみ餅」は、たくさん食べても他の餅に比べて胸焼けしにくいといわれます。これは、大根に含まれるタカジアスターゼという成分のおかげです。タカジアスターゼは、デンプンの消化酵素で、胸やけ、胃酸過多、胃もたれ、二日酔いなどに効果があるとされ、胃腸薬の成分にもなっています。

 

【大根の辛み成分、イソチオシアナート】

 大根の辛み成分であるイソチオシアナートは、大根をおろし金ですると、細胞組織が破壊されるので辛みを生じます。この辛みは大根の上部には少なく、下部になるほど強くなります。イソチオシアナート量は、時間の経過と共に揮発して減少するので、時間をおくと次第に辛みを感じなくなります。

 この成分は、抗ガン作用や肝臓の毒消しの働きがあり、ガン予防になると期待されています。しかも、大根おろしでなく、そのまま食べても腸内細菌が同様の反応を示すので効果を発揮します。また、ピロリ菌殺菌作用もあるといわれています。

 

【栄養価の高い、切り干し大根】

 切り干し大根は、大根を細く切り、天日で干して乾燥させた食材ですが、太陽の光を浴びることで糖化されて甘味がさらに増し、栄養価も増えます。

 同量の大根と比べた場合、骨や歯を丈夫にするカルシウムは15倍、悪性貧血を予防する作用がある鉄分は32倍、代謝を促進するビタミンB1・B2は10倍と、栄養価はとても高いのが特徴。また、食物繊維が豊富に含まれているため、生で食べるより切り干し大根で食べた方が一度で食べる食物繊維の量は20倍にも増えます。

 食物繊維には、便秘を改善し大腸ガンを予防し、コレステロールを体外に排出し動脈硬化を防ぐ作用や、腸をきれいにするので美肌にも効果があります。さらに食物繊維は水分を吸収して膨らむので、少量でも満腹感が得やすく、ダイエットにも効果を発揮します。

 他に、切り干し大根には、二日酔いで弱った肝臓や胃腸を回復して食欲を増進させる作用、保温作用により冷え性を予防する働きがあるといわれています。

 また、切り干し大根には最近注目されているギャバ(GABA)が豊富に含まれています。これはγ―アミノラク酸というアミノ酸の一種で、血管を拡張させて血圧上昇を抑えたり、中性脂肪の増加を抑制したり、肥満、動脈硬化の予防にも良いといわれています。

 

【大根で風邪予防】

 ビタミンCが豊富な大根の葉や根を食べるのは風邪予防になりますが、 大根のおろし汁で“うがい”をするとのどの腫れにも効果があります。また、蜂蜜大根シロップも咳やのどの痛みなどに有効です。

蜂蜜大根シロップの作り方

  1. 大根を1cm角のサイの目に切る。
  2. 蓋のあるビンに大根を入れ、大根がかぶるくらいまで蜂蜜を入れて蓋をし冷蔵庫で保存します。
  3. 一晩おいて出てきた大根のエキスを箸でよく混ぜて、浮いてきた大根を取り出します。
  4. エキスをおちょこに1杯くらいを目安にして飲んで下さい。湯飲みにお湯で溶いて飲んでもよいでしょう。

---2006.2.28 (c) Mica Okamoto ---


【Health】トップページ