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子どもの健康情報【子どもにも増える「過敏性腸症候群」】


 大人に多い「過敏性腸症候群」はストレスが原因です。子どもたちにも「授業中にお腹がゴロゴロする」「トイレに頻繁に行く」といった下痢と便秘を繰り返し、この病気と診断されるケースが急増しています。

 便秘でお腹がぱんぱんにはってガスが出るのだけれど、クラスの中ではおならをするわけにもいかず、我慢してなかなか症状が改善しなかったり、男子に「なにか、くさい」といわれ、人前に出るのも緊張するようになった女子生徒や、授業中お腹が痛くなってもなかなか先生に告げられず、最後のぎりぎりまで我慢したため、その後またこのようなことが起こるのではと心配してお腹が頻繁に痛くなるという子もいます。

 また、通学中のバスや電車のなかで出そうになるのをこらえて、それが不安で学校にいくのが怖くなったり、授業中我慢しすぎてもらしてしまい、その後クラスメートにからかわれるようになり、ひどい場合にはいじめにつながることもあります。

 病院にいくと急性胃腸炎などと診断され、整腸剤や下痢止めをもらうのですが、下痢が治まると便秘になるなど症状はなかなか改善されず苦しむ子や、血液や超音波に検査などをしてもなにも悪くないといわれ、親にうそをついているのではと疑われてしまうこともあります。

 過敏性腸症候群は、「下痢型」、「便秘型」、下痢と便秘を交互に繰り返す「混合型」の3つのタイプがあり、20代〜50代には10人に1人は見られるといわれています。男性は「下痢型」、女性は「便秘型」が多く、ストレスが多いと症状もひどくなります。

 子どもでは小中学生の1,2割が生活に支障のある腹痛を訴え、そのなかでも「過敏性腸症候群」を疑われるケースが小学校高学年以上に多く、最近は低年齢化の傾向にあります。性格的に几帳面でガンバリ屋の子に多く、母親の心配が伝わり余計に緊張して症状が悪化することもあります。欧米では、虐待との関係も指摘されており、学校や家庭でのストレスの増加が背景だと見られています。

 よくなるためには、まず生活習慣を見直すことが大事です。十分な睡眠と休養をとり、インスタント食品やファーストフードなどの栄養の偏った食事を避け、食物繊維の多い野菜や乳酸菌などを多く摂り腸の機能を整えましょう。また、ストレスを取り除くことも大切です。親が子どもに無理をさせたりプレッシャーを与えてないか見直し、子どもの気持ちを十分に理解するように話し合ったり、専門医のカウンセリングを受け子どもの不安を取り除くことも重要です。

 薬を飲ませるだけで放っておくと、学校に行けなくなったり、不安神経症などの心の病にもなりかねません。早めに対応し、焦らずにじっくり時間をかけ治療するようにしましょう。  

 [No.042:ストレスで起こる過敏性腸症候群]も参考にしてください。


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