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子どもの健康情報【「肥満」と「やせ」が増える子どもたち】


 子どもの肥満が問題視されていますが、最近の子どもたちは、太り気味の子とやせ気味の子に二極化する傾向が見られることが、幼児から高校生までを対象にした文部科学省の学校保健統計調査によってわかりました。

 性別、年齢別、身長別標準体重に対して120%以上の体重を示すものを「肥満傾向児」、80%以下の体重を示すものを「痩身傾向児」としています。

増える肥満児

 12歳を例にとると、肥満傾向児は、1970年に男女とも3%程度だったのが、2002年にはいずれも10%を上回り、3倍以上増加しています。

 肥満の原因として第一に挙げられるのが、運動不足。この20年間で、子どもの体力・運動能力が低下し続けている調査結果も報告されていますが、「運動不足 → 体力・運動能力の低下」がはっきりとわかります。(【現代っ子、背は伸びたが運動能力は低下】参照)

 子どもの肥満は、高血圧や高脂血症、ゆくゆくは糖尿病や心臓病など生活習慣病のリスクも高まります。少し無理をしても思う存分やりたいことをやれる時期に、体調を気にして思うようにできないのは、これからの人生を送るのにプラスといえません。また、子どもの時期に肥満だと、大人になっていざ痩せようと思ってもなかなか痩せることができません。思いっきり身体を動かして体力をつけながら太らないよう気をつけましょう。

 【肥満傾向児の増加】

学校保健統計調査より


女子に多いやせ

 一方、やせ気味の子どもたちも増えています。12歳を例にとると、2003年には女子が4.5%、男子が3.5%程度がやせ占めています。

 最近はタレントの影響でダイエットが流行しており、平成10年の日本学校保健会のアンケート調査によると、「やせたい」と思っている者の割合が、男子38.3%、女子76.8%でした。男女を比べると、圧倒的に女子の痩身願望が高く、中学以降が目立ちます。

 ダイエットのために、給食を残したり、少量のお弁当しか持参しない子もいます。調査のなかでは、ダイエットを実行した児童のうち、自ら「やせたいと思って実行した」と答えた児童は男子10.4%、女子33.8%と、女子が男子の3倍近くもいました。

 成長期で身体に変化が訪れる思春期のダイエットは、それ以降の体調に大きく影響します。一般的に20歳前後にピークを迎える骨量は、それ以降は増えにくくなり、減少に向かいますが、この時期にダイエットをすると、骨の成長がうまくいかず、骨粗鬆症の恐れが出てきます。特に、女性のほうが骨粗鬆症の可能性が高く、また、ホルモン分泌がうまくいかず、生理不順や不妊の原因にもなります。

 身体が急成長するこの頃は、お腹がすいてたまらない時期でもあります。早弁をして昼食も食べるのは当然。「朝、昼、間食、夜、深夜」と5食食べてもまだ足りないという食欲の子もいます。それだけ、身体の成長に栄養が必要とされています。健康な一生を送るための身体づくりをするこの時期には、運動しながらバランスよく栄養を摂りましょう。

<参考>

  日本学校保健会:平成10年度「児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告書」概要
  文部科学省:子どもの食生活を取り巻く状況

---2006.5.30 (c) Mica Okamoto ---


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