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子どもの健康情報【70年代生まれの9割がアレルギー体質】


 ダニやスギ花粉などでアレルギーを起こしやすいアレルギー体質の人が急増していますが、1970年代に生まれた人の9割がアレルギー体質であることが、国立成育医療センター(元・国立小児病院 平成14年3月1日〜現センターに)研究所免疫アレルギー研究部長・斉藤博久氏らの調査でわかりました。 各国の調査では最高でも6割程度で、この数字は、世界的にも類を見ないほど高い数字です。

 調査は、2000年から2002年にかけて、71年1月〜80年3月に生まれた慈恵医大の学生ら計258人から血液を採取し、ダニやスギ花粉などのアレルギーの原因となる計14種類の抗原物質に対してIgE抗体を持っているかどうかを調べました。IgE抗体が多いほど、アレルギーを起こしやすい体質であると判定できます。

 その結果、スギ花粉の陽性は187人(72%)、ダニは154人(60%)。いずれかの抗体を持つアレルギー体質の人は、223人と86%に上りました。なかでも、生まれ育った人口100万人以上の大都市だった人で抗体を持つ人は92%に達し、中小都市出身者の80%を上回りました。

  斉藤部長は、「調査した学生は、抗生物質の普及などで子供の細菌感染が激減し始めた1970年代後半生まれ。衛生的な環境で育った乳児の方がアレルギーになりやすいとの仮説が最近注目されており、清潔な環境が乳幼児の免疫機能の形成に影響を与えているのではないか」と分析。「予備軍が発症すれば、働き盛りの若者の健康に悪影響が出て、医療費が圧迫される危険性もある」と指摘しています。

 医療関係会社の社員約50人でも同様の検査をしたところ、70年代生まれでは88%がアレルギー体質だという結果が出ています。

 別グループの過去の日本人学生の調査では、陽性の学生は1978年で2割、1991年でも4割程度にとどまっていた。また、ニュージーランドの研究グループが昨年発表した21歳の若者の調査では、陽性が65%。欧州諸国では30%前後でした。

 いったん発症すると、症状を改善するのは簡単ではなく、少しでも症状を軽減する方法を模索しながら実践している人も少なくありません。しかし、現在アレルギーの発症を抑える方法として第一にあげられるこまめな掃除でダニやホコリをできるだけ除去する方法が、かえって免疫力に関係しているのかと考えると、アレルギー体質と環境について深く考えざるをえません。

 

参考サイト
   国立成育医療センター研究所・免疫アレルギー研究部

---2003.3.31 (c) Mica Okamoto ---


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