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今どきの子どもたち
【保健室は託児所ではない!】


 1月も終わり頃、今年はインフルエンザの流行はおとなしいなぁと思っていた。昨年までは、この時期、友達が休んだ、学級閉鎖だとあちこちで聞いていた。

 でも、2月に入ったころから、なんと、はしかが流行っていると聞いてびっくりした。

 なぜ、小学生ではしかが流行るの?
 普通なら、1歳になってすぐに予防注射を受けているはずでしょう?
 受けさせてない子の親って、どういうこと?

 その流行の発端になった話を聞いて、さらに、驚いた。

 原因になった子は6年生。微熱があって、風邪っぽいのに、休まずがんばって学校に来ていた。そんな日が2日ほど続いた後、とうとう熱が高くなって保健室へ。その子も相当がんばったんだろう。保健室に来たのは、お昼近かったそうだ。

 さすがに熱が高いの養護の先生は、母親にすぐに電話した。
 「お子さん、38度近くの熱を出しています。すぐに迎えにきてあげてください」
 すると、その母親はこう言った。
 「仕事があるので、5時まで行けません。すみませんが、5時まで学校で預かってください」
 先生はさすがに驚いて、
 「お子さんが危険な状態になるかもしれません。すぐに来てもらえませんか?」
 「じゃあ、ひとりで家に帰して下さい。」とその母親。
 「どなたか、替わりにお迎えに来れる方いらっしゃらないんですか?」
 「いないんです。大丈夫ですからひとりで、家に帰らせて下さい」

 そんな!大丈夫なわけないじゃない!
 さすがの養護の先生も、ヤバイと思ったのだろう。
 「わかりました。じゃあ、こちらで病院に連れていき、その後、保健室で休ませますが、5時までには必ず迎えに来て下さい」

  電話を切った後、先生は、
 「私の勤務時間は4時までなのよ。子どもをなんだと思ってるの。私はめんどうを見るけれど、学校は託児所じゃないのよ!」と吐き捨てるようにいったのだそうだ。

 結局、先生が病院に連れていき、はしかの疑いがあるといわれた。
 そして、その後10日ほど学校を休んだ。はしかと診断され、出席停止の書類が学校に提出されただけで、親からは一言も連絡はなかったという。

 その子が来ていた間にウイルスはばらまかれ、1年生から6年生までバラバラとはしかで休む子が出た。いったんかかるとひどいらしく、特に低学年は10日くらい休んでやっと学校に出てきたかと思ったら、病み上がりでインフルエンザや下痢風邪にかかって、また10日も休む子もいた。それに、ちょうど中学受験のころまで響いていたので、戦々恐々としている親もいた。

 普通の親は予防注射をしているからと安心していたが、なかには、「うち、注射してないから、やばいかも」といってる親もいた。なぜ、予防注射をしなかったんだろう。とりあえず、病気にならなかったから、ま、いいや、ってことなんだろうか。

 子どもが高熱を出しているのに迎えに来ない親。そんな親を相手に、あくまでも子どものためを思って、なんとかしなきゃいけない養護の先生。そこまでやってくれる先生は、そんなにいないと聞く。この先生のおかげで、子どもはなんとか無事でいられるのだろうが、逆に、無責任な親もつけあがらせる結果になってしまっている。

 学校になんでも責任をとらせる親の多さ。親の役割や責任さえも、学校に転嫁する親たち。子どもを守る一番の存在は、親のはずなのに。

---2000.5.30 (c) 2001 by Mica Okamoto ---


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