Home Health Supplement Child Diet Beauty  
     
 

子どもの健康情報【揺さぶられっこ症候群】


 まだ首がすわっていない乳児を強く揺さぶったことが原因で赤ちゃんが脳内出血を起こしてしまう「揺さぶられっこ症候群」が最近相次いで報告されています。

 愛知県では、昨年秋、突然けいれんを起こして入院した生後3ヶ月の男児をCTスキャンで調べたところ、脳内出血していることがわかりました。外傷が見られないため、医師は「揺さぶられっこ症候群」を疑い、この男児の双児の弟も検査したところ、この子にも以前脳内出血した後が見つかったそうです。両親に聞いてみると、兄弟の1人をあやしていると、もう1人も泣き出してしまうので、父親が日常的に強く揺さぶるようにあやしていたといいます。

 長野県では、救急車で病院に運ばれた直後に死亡した3ヶ月の女児を信州大学医学部が解剖したところ、硬膜下血腫が見つかり、調べてみると、この子の父親も娘を強く揺さぶってあやしていたそうです。大阪市内の病院でもこれまでに5例、揺さぶられっこ症候群と見られる子どもを診察しているそうです。

 揺さぶられっこ症候群は、1974年に米国で最初に報告されました。米国の統計によると、揺さぶられたことが原因で脳内出血した赤ちゃんの死亡率は、25〜50%、後遺症が残る確率も30〜50%にのぼります。

 乳幼児の脳は、頭蓋骨より小さくできているため、頭を揺さぶることで脳が大きく動いてしまい、脳と頭蓋骨を結ぶ静脈が切れてしまうのです。けいれん以外に目立った症状がないため、CTスキャンを撮らなければ脳内出血とはわかりません。

 けいれんが起きた子どもは夜中に救急車で運ばれることが多く、小児科医や産科医の目に触れないことが多く、小児科医でも揺さぶられっこ症候群のことを知らない医師も多いため、予防の育児指導がなされることは難しいといわれています。また、核家族であやし方を教わる人がいないため、首がすわっていない赤ちゃんの扱い方がわからない人が増えているのも一因です。

 強く揺さぶってはいけない年齢の一応の目安は、1歳半くらいまでで、繰り返し強く揺さぶらない限り、そう心配することはなさそうです。しかし、子どもが泣き止まないからと、イライラして揺さぶり続けるのは絶対に避けるようにしましょう。もしけいれんが出たら、すぐに医師に診察してもらいましょう。

参考:週刊朝日00.6.9


【Child】トップページ