[No.101:ステビアは安全か]
香港の食物環境衛生署は3月、ステビアが含まれている可能性があるとして小売店に日清食品の焼きそば「UFO大盛り」などのインスタント食品や江崎グリコのスナック菓子など4品目の撤去を命令しました。
香港ではステビアはガンや他の健康に関する問題に関係があると指摘されており、甘味料として承認されておらず、使用許可が下りていません。シンガポールでもステビアが含まれている日本製の食品が販売禁止になっています。
ステビアはEUやアメリカでも発ガン性や生殖器への影響などの恐れがあると安全性が疑問視され、食品添加物としての使用を許可されていません。
ステビアは、パラグアイ原産の多年生草木で、南米では16世紀頃から甘味料として使われていました。葉にはステビオサイド、レバウディオサイド等の甘味成分を含み、砂糖の約200〜300倍の甘味度を示すといわれています。
日本では、チクロなど発ガン性が問題となった合成甘味料に代わる天然甘味料として1970年代から北海道や九州で栽培が始められました。乾燥した葉から甘味成分を抽出し、漬物、珍味、水産練製品、醤油、菓子パン、つくだ煮、缶詰、清涼飲料水などで利用されています。甘味度が高いのに、砂糖の90分の1という低カロリーなのが人気を呼び、ずばり「ステビア」という名前の清涼飲料水もあるほどです。
国が食品添加物として認可しているから安全性には問題ないと考えがちですが、ステビアは国際的にはまだ承認は得られていません。
また、国が認可している合成着色料の赤色2号はアメリカでは使用禁止だったり、91年まで禁止だった赤色40号はアメリカやカナダの圧力で91年に認可されたり、国が食品添加物の安全性についてどう考えているのか疑問に思うこともあります。
最近では、ステビアを土壌の改良に使ったステビア農法というものもあります。ダイオキシンやニコチンなどを解毒するステビアの抽出物を農作物に与えると、残留化学物質を分解し、作物が丈夫に育つ土壌になり、ミネラルやビタミンの多く含む健康な作物ができるというものです。ステビア農法で作ったみかんは糖度が高くなるとか。
食の安全が問われるなか、日本で認可されたものでも、安全性が原因で海外で販売できなくなれば、今後なにかしらの影響が出てくると思われます。それに伴い、国内での安全基準が強化されればと願うばかりです。
▼No.007: 甘味料の安全性
▼こんなに使われている!食品添加物も参考にして下さい。
---2002.4.13 (c) Mica Okamoto ---
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