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[No.029:夏はいい汗かこう!!]


 夏、エアコンの効いた部屋から一歩も出ずにいると、汗をかかずにすんでラッキーと思う人もいるかもしれませんが、夏に汗をかくことはとても重要なことなのです。

■身体にとって重要な役割をする水分

 人間の体重の約3分の2は水分です。赤ちゃんや幼児になると体重の80%、年齢が高くなると水分は減って70%になります。

 これらの水分の働きは大きく4つあります。
 第一は、栄養分などを溶かして身体の隅々まで運ぶ、溶媒の役割です。例えば、血漿には、水分と各種のホルモン、ナトリウム、カリウムなどの電解質やグルコース、コレステロールなどの栄養、たんぱく質が溶け込んでいます。第二は、栄養分は水が溶かすから吸収でき、不要物質は水分に溶かして排泄するという消化と吸収の働きです。第三は、ホルモンを分泌するときも水を使います。第四は、汗をかいたり、尿を出したりといった体温調節で、身体の水分バランスが重要な問題になります。

 そして汗には、こんな役割があります。

◆体温調節
 汗の量を調節することで、暑いときに体内の熱を発散させて体温を下げます。

◆身体の中の水分量の調節
 身体の水分量は、汗と尿で調節されています。汗をかくと水分量を減らしますが、汗をかき過ぎると血液の濃度が上がり、その結果、細い血管に血液がつまって脳卒中や心筋梗塞などをひき起こすこともあります。

◆疲労物質を排出
 筋肉が疲労するとできる乳酸や二酸化炭素が体内に貯まると、肩こりなどが起こります。汗をかくと、これらが排出されるので肩こりの解消になります。

◆自律神経のバランスを整える
 自律神経には2種類ありますが、緊張を緩めたりするリラックス系統の副交感神経の働きが弱まると不眠症などにつながります。汗をかくと、自律神経の乱れを解消することができます。

◆肌の保護
 汗の水分と一緒に分泌される皮脂が、肌の乾燥を防ぎ、肌の潤いを守ります。

■いい汗をかくポイント

 汗のべたつきは嫌なものですが、身体の健康維持には毎日きちんと汗をかきましょう。身体の機能を低下させない汗のかきかたについてあげてみました。

◆毎日2時間外気にふれる
 夏は冷房、冬は暖房といったエアコンに頼り切った生活をしていると、身体の体温調節機能が働かなくなります。夏に冷房の部屋にずっといると身体を冷やし過ぎて、自律神経失調症になる人も少なくありません。自律神経の交感神経と副交感神経が交代するのが、夕方の4時以降なので、夕方から2時間くらいエアコンのない外気にあたると、自律神経の交代がスムースにいくでしょう。

 この時間帯に15〜45分間の散歩もおすすめです。激しい運動による流れるような汗は、無効発汗といって体温調節には効果が少ないのです。適度な散歩でかくほどよい汗は、かいてもすぐに蒸発して熱を奪うので、体温調節になります。

◆外出30分前、寝る前のコップ一杯の水
 夜寝る前のコップ一杯の水を飲むことは、血液濃度が高くなるのを防ぎ、動脈硬化などの脳血管疾患の予防になります。
 また、出かける前の水は、脳の体温調節機構の働きをよくします。水を飲んだ場合は、外出してもあまり体温が上がらず、汗がスムースに出て上手に体温調節が行われます。

◆昼食にたんぱく質、夕食に暖かい食べ物
 夏の昼食はさっぱりしたものになりがちですが、身体の原動力となるたんぱく質も忘れずに。夕食に温かいものや辛いものを摂ると、身体が温まって汗を出してくれます。アルコールも血管を拡張して発汗を促しますが、飲み過ぎはいけません。

◆入浴で体温調節機能を刺激
 汗を流すだけのシャワーで終わらせる人が多いですが、入浴で汗をかくと、その日の疲労物質を出してくれます。また、入る前に冷たい水をかけ、温かいお湯に入り、また冷水をかけるという温冷浴を行うと、体温調節機能を刺激し、汗腺の働きを強めます。

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 夏はとてものどがかわくため、水分補給が大切です。熱い飲み物を飲むと汗はどっと出てきますが、冷たいものを飲むと汗がひきます。これは、口やのどの粘膜が温度を感じて反射的に起こるものです。水分を取り過ぎると汗が増えると思いがちですが、身体の水分量が足りていれば、水分をとっても汗は増えず、尿だけが増えます。

 汗は健康のバロメーターともいわれます。上手に汗をかいて、夏バテせずにこの時期を乗り切りましょう。                       

---2000.7.29 (c) 2000 by Mica Okamoto ---

 

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